近視について | たけなか眼科

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近視について

 近視の人口は、近年世界中で爆発的に増加し問題になっています。日本でも、文部科学省の発表によると、子どもの視力低下は進んでおり、高校生の6割以上、中学生の5割以上、小学生の3割以上が視力1.0未満であると報告されました。
 これまで近視というと、遺伝が原因であるとか、近くのものを見る時間が多いとか、暗いところでものを見ることが大きく影響すると言われていました。そういった影響もあると思いますが、もっと重要なことが太陽光線を浴びることであるとの報告が、最近数多くみられます。両親が近視でも、野外活動が1日2時間を超える子供は、近視になりにくいとの報告が複数の研究グループから報告されました。実際に1日2時間以上屋外で遊ぶ子供は、小学生で13.7%(「第2回放課後の生活時間調査2013」)であり、近年の子供たちは屋外で活動する時間が減少しています。
 それではなぜ、太陽光線を浴びることが近視の抑制につながるのでしょうか。慶応大学の近視研究チームは、屋外で浴びるバイオレットライトが、近視の抑制に有効である可能性を発見しました。バイオレットライトとは、可視光線の中で360~400nmの波長の紫色の光のことです。最近よく耳にするブルーライトと紫外線の間の波長の光です。このバイオレットライトを浴びることで、近視を抑制する遺伝子の1つであるEGR1が有意に上昇することが実験で示されました。実際にヒトでも証明されており、バイオレットライトをカットした人のほうが、近視が進行したという結果がでています。ですので、近視の進行予防には1日2時間以上、外で遊ぶことが有効だと考えます。
 少し話は変わりますが、食べ物でも近視抑制に期待ができる食べ物が発見されました。クチナシという花がありますが、その色素成分「クロセチン」が有効である可能性が示されました。「クロセチン」は近視抑制に関連するEGR1遺伝子の発現を高める効果があり、さらに近視誘導モデルでも、近視進行を有意に抑制することが確認されました。クロセチンはクチナシの実や、サフランのおしべに含まれる色素性分ですが、人の体内では生成されません。また、必要量を食事で摂取することは難しいです。
 慶応大学の近視研究チームは6歳から12歳の69名の子供を対象として「クロセチン」の効果を研究しました。「クロセチン」群は「クロセチン」7.5mgを含んだカプセルを、1日1カプセル服用し、「プラセボ」群は「クロセチン」を含まないカプセルを1日1カプセル服用して、1ヶ月後と6ヶ月後に近視の程度を比較しました。「クロセチン」群は「プラセボ」群に比べて屈折度数の低下が20%抑制されました。これは非常にインパクトのある結果で、6ヶ月で結果がでるということはかなり効果があると思いした。
 その研究時と同じ量の「クロセチン」を含んだ「クリアビジョン ジュニアEX」というサプリメントが、ロート製薬から発売されました。医療機関のみで販売が可能なものです。6才から服用でき、無味無臭の小粒なソフトカプセルです。注意点として、近視が良くなるわけではなく、その進行の程度を抑制する効果が期待されているということです。また、すぐ結果はでないため、6か月くらい飲み続けることは必要であるといわれています。当院でも10月から販売を開始いたしました。1箱が1ヶ月分で、3,000円(税抜)です。ご興味のある方はどうぞお気軽にご相談下さい。

たけなか眼科院長  竹中丈二

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